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欠屋左慈
「僕ってとーっても寂しがり屋なんだだから、もっと甘えさせて?」赤噛未白
「そんなこと言われても……」欠屋左慈
「カラッポなんだ」赤噛未白
「え?」欠屋左慈
「どれだけ注いでも満たされなくて、ずっとカラッポ」いつも明るい左慈くんの目が、どこかどんよりと淀んでいるように見える。
赤噛未白
「左慈くん……?」赤噛未白
(なんだかおかしいな)赤噛未白
(うまく言えないけど、いつもと様子が違う気がする)欠屋左慈
「なんて、カッコイイこと言っちゃった?厨二病っぽい?」
表情も口調もいつも通りなのに、違和感が拭えない。
返事のしようがなくて黙りこんでいると、左慈くんが身を寄せてきた。
欠屋左慈
「白雪さんって甘い匂いするね?ちょっと味見してもいい?」赤噛未白
「味見って?」欠屋左慈
「あーん――」赤噛未白
「!?」突然左慈くんは私の喉に歯を立てた。
赤噛未白
(味見って噛むってこと……!?)思わず顔を引こうとすると、左慈くんの手が首の後ろを掴んだ。
欠屋左慈
「ん……」
そのまま肌に深く歯が埋まる。
痛みに顔が歪んだ。
赤噛未白
「――っ、やめて!」渾身の力を込めて、左慈くんを突き飛ばす。