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赤噛未白
「っくしゅん」赤噛未白
(夏とはいえ、濡れたところが冷えるな。帰ったらシャワー浴びよう)組島壊音
「……」
不意に、私の隣に組島くんが座った。
アイスは既に食べ終わったのか、もうカップは持っていない。
赤噛未白
「制作進めなくてもいいの?」組島壊音
「ちょっと休憩するだけだ」赤噛未白
「それじゃあ、もう少し見ててもいい?」組島壊音
「どうせ、まだ雨もやまないしな」お言葉に甘えて、椅子に座ったまま作品を眺めるのを再開する。
赤噛未白
(隣にいてくれるおかげで、あったかいな)
すぐそばにある組島くんの体温が、冷え切った体に伝わってきてありがたかった。
少し体をさすると、組島くんがそっとこちらに寄ってきた。
赤噛未白
(……あれ? もしかして、私が寒そうにしてたから隣に座ってくれたのかな?)赤噛未白
「ふふっ」組島くんの気遣いが嬉しくてつい笑ってしまうと、そっぽを向いていた顔をこちらに向ける。
組島壊音
「何、笑ってんだよ」赤噛未白
「ううん。なんか嬉しいなって」組島壊音
「はあ?」赤噛未白
「いいの、いいの! 気にしないで!」組島壊音
「なんだそれ」
組島くんは意味がわからないというような顔で首を傾げる。
それでも私は、にこにこと機嫌よくなっていた。
雨音が教会の中に響く。
つかの間おとずれた沈黙がなんとなく心地いい。