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赤噛未白
「え――!?」心条無月
「こうすれば、もっと温かいでしょ?」耳もとで囁かれ、余計に動揺する。
赤噛未白
「そ、そうですけど……」心条無月
「くっついていると温かいわね」赤噛未白
「そうですね……じゃなくて、この状況は予想外というか、なんというか」しどろもどろになっている私の反応を楽しんでいるのか、クスクス笑う声がする。
心条無月
「あら、ぎゅっとされるのは嫌?」赤噛未白
「そういうわけじゃないですけど……」心条無月
「なら、しばらくの間、こうしていましょう?」ますます力を込められたので、一気に体温が上昇する。
赤噛未白
(むしろ暑いくらいというか)きっと、鏡で自分の顔を確認したら真っ赤になっているに違いない。
心条無月
「ふふ、耳まで真っ赤よ?」赤噛未白
「急に抱きしめられたら、誰だってこうなります!」赤噛未白
「それに、女の子が憧れている人気の俳優さんですし、普通は失神ものですよ?」心条無月
「へえ、そうなの。それじゃあ――」無月さんは甘い声で囁いてきた。
心条無月
「アナタも、ずっとこうしていたら失神しちゃうかしら。試してもいい?」赤噛未白
「ええ!?」
心臓がバクバクうるさい。
頭の中もぐるぐるしている。
赤噛未白
(身体が暑い……)冷房なんか気にならないくらい暑くて、息が苦しい。
心条無月
「その反応、アタシのこと意識してるのね」赤噛未白
「こんなことされて、意識しない方がおかしいです……」心条無月
「じゃあ、もっと意識させようか」
急に男っぽく囁かれた。
一層、鼓動が脈打つ。
赤噛未白
(急に男っぽくなるのずるい――)密着しているから、私がドキドキしているのも伝わっているはずだ。
赤噛未白
「これ以上は無理です――!」絞り出すように言うと、無月さんは手を離した。