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在間虚
「自分がどこから来たのか、どこへ向かうのか、なぜ存在しているのかすらわからないただ無駄に生きている存在」在間くんは自嘲気味にそう言う。
赤噛未白
「そんな……」在間虚
「でも、白雪に会ってから、何かが変わりそうな、見つけられそうな気がする」赤噛未白
「私?」在間虚
「そう。白雪は他の人と違う。この世界に来られるのも白雪だけだ」赤噛未白
「そういえば、鏡の精が私は運命の相手を救うことができるって」在間虚
「やっぱりそうなんだ。僕が白雪の運命の相手かどうかはわからないけど白雪には特別な何かがあるんだと思う」赤噛未白
「うーん、自分ではわからないけど……在間くんを助けられるのかな?」在間虚
「助けてくれるの?」赤噛未白
「う、うん。私にできることがあるなら……」在間虚
「じゃあ、ここに座って」在間くんは砂浜に座ると、自分の隣を示した。
赤噛未白
「うん」言われたとおりに、腰を下ろす。
在間虚
「君を食べたら、自分を取り戻せそうな気がするんだ。僕でも俺でも私でもない、本当の自分を」赤噛未白
「……え?」
一瞬言われたことの意味が分からなくて、聞き返す。
在間くんは何も答えずに、身をかがめた。
何をするのかと思ったら、私の足を取って甲に噛みついた。
在間虚
「――」赤噛未白
「在間くん!?」肌に歯が食い込む感触に、鳥肌が立つ。
赤噛未白
(食べるって本気で言ってるの!?)赤噛未白
「――痛っ、やめて!」赤噛未白
(噛むなんて、いくらなんでもおかしい)赤噛未白
「放して!」