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赤噛未白
「あの――」墨府刺君
「ねえ、ドキドキした?」赤噛未白
「そんなの知らないです」墨府刺君
「――ねえ、ドキドキした?」
刺君さんは私が逃げないよう通せんぼし、耳に口を寄せてくる。
刺君さんの息遣いが思ったより近くて妙に意識してしまう。
墨府刺君
「ねえ、聞いてる?」赤噛未白
「……聞いてますよ」頬に熱がじわじわと集まっているのを感じ、このままだとゆでだこになってしまうのも時間の問題だった。
墨府刺君
「未白。ドキドキした?」赤噛未白
「!?」赤噛未白
(ここで、名前呼ぶのは反則だよ――!)観念しないと、恥ずかしさにどうにかなってしまいそうだったので正直に答えることにした。
赤噛未白
「そりゃあ、ドキドキするに決まってますよ! 見てわからないんですか?」この顔を見ろと言わんばかりにきっと赤く染まっている頬を両手で押さえた。
墨府刺君
「そっか。ドキドキしたんだ」赤噛未白
「……しましたよ」墨府刺君
「真っ赤になって可愛い」赤噛未白
「だ、だから――!」墨府刺君
「はいはい」刺君さんは嬉しそうに笑い、ようやく壁ドンから解放してもらえた。
赤噛未白
「もう二度としないでくださいね」墨府刺君
「うん。アンタが覚えてるうちはしない」赤噛未白
「私が忘れてもしないでください……」