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赤噛未白
「? なんだろう、あそこ」赤噛未白
(建物まで氷でできてる……。中も寒いのかな)赤噛未白
(でも、かまくらとかあったかいし。とりあえず、入ってみよう)おそるおそる、氷でできた扉を押し開ける。
赤噛未白
「お邪魔します」中に足を踏み入れると、広間のような部屋の中心に誰かが座っていた。
赤噛未白
(あれ? 人がいる?)心条無月
「ん?」赤噛未白
(しかも、あれって……)顔がはっきりと認識できるほどに近づいて、思わず声を上げてしまう。
赤噛未白
「無月さん!?」心条無月
「ああ、白雪か」
無月さんの様子に少し違和感を覚えながらも、見知った顔を見つけたことでほっとする。
ほっとしたところで、無月さんの服装を見て思わず目を逸らしてしまう。
自分もおかしい格好をしているのだから変に居たたまれなくなるのもおかしいので
平然を装い、笑顔で声を掛ける。
赤噛未白
「良かった。突然こんなところに来ちゃって困ってたんです」赤噛未白
「無月さんも、同じように鏡の中をくぐって来たんですか?」心条無月
「いや。俺は白雪とは違うからな」赤噛未白
「?」赤噛未白
(なんだか、前に会った時と様子が違う……?『アタシ』じゃなくて『俺』だし……)見た目は無月さんそのものなだけに、別人とも考えづらく、内心首を傾げる。
赤噛未白
「無月さんはどうしてここに?」心条無月
「ここが俺の世界だからだ」赤噛未白
「……無月さん?」赤噛未白
(なんだか変だ。全然表情が動かない。まるで人形みたいだ)