[Bloody Nightmare] Scenario
私は、飛び込んだ先でユリアンのことを
押し倒してしまっていた。
咄嗟のことだったはずなのに、
私の膝裏にはユリアンの腕が回っている。
そして思い切り……。
ふたりの唇が重なってしまった。
- フィオナ
- 「ん……!?」
- ユリアン
- 「……!!」
- フィオナ
- 「……わわわっ!!??」
- ユリアン
- 「……っご、ごめんなさい。そういうつもりじゃなかったんです。」
- フィオナ
- 「こ、こちらこそ、えっと……。」
- ユリアン
- 「でも、なんだかとっても甘かったです。それに甘い薔薇の味がしました。」
- フィオナ
- 「……そんな。返事に困っちゃうわ。」
- ユリアン
- 「……もしかしてファースト、キスですか?」
- フィオナ
- 「…………パールやリッチーとは、ハグやキスもしてるけど……。」
- ユリアン
- 「あはははっ。あなたは……なんだか可愛いですね。」
- ユリアン
- 「俺としては、もう少しこのままでいたいなって思ってしまっているのですが……。
迷惑だったりしますか?」
- フィオナ
- 「あの……迷惑じゃないけど、私、重いでしょう?」
- ユリアン
- 「全然。すごく軽いです。
もっとぐっと体重かけてもらっても。」
- フィオナ
- 「……そんなことできないよ。恥ずかしい!」
- ユリアン
- 「ふふっ、そういうところも可愛いです。
まるで庭に咲く桜のようですね。」
- フィオナ
- 「……もう、口がうまいんだから。
でもありがとう。助けてくれて。」
- ユリアン
- 「どういたしまして。
……これで、俺が転ばずに受け止めていられたなら、もうちょっと格好がついたんですけど。」
- フィオナ
- 「……ふふ。」
- ユリアン
- 「まあ、こういうのも俺らしいです。」
あきらめたように、かくりと肩を落とす様が面白くて
ついくすくすと笑ってしまう。