私はゾディバに感染しているはず。
そんな人間に触っていいものだろうか。
早く、早くエルザに離れてもらわないと。
そればかりを考えて、
必死に彼に告げる。
しかし、エルザの手は離れることはなく。
ずっと優しく髪を撫でてくれていた。
どの位の時間が経っただろう。
漸くエルザの手が離れた。
- エルザ
- 「……ネッソの気持ちが少し分かった。」
- フィオナ
- 「エルザ……?」
- エルザ
- 「……お嬢様は、大丈夫。
ネッソ、ザラ……。そして俺が絶対お嬢様を守る。」
- フィオナ
- 「うん……ありがとう……。」
ああ、また、守られてばかり。
- フィオナ
- 「エルザ……ごめん、なさ……。」
私は謝ることしか出来なかった。
そして、どんどんと意識が遠のいていくのを感じて――
- フィオナ
- 「寝て、も……いい?」
- エルザ
- 「ああ、ゆっくり休んでください。」
- フィオナ
- 「……ありがとう、エルザ……。」
そう言って私は再び眠りに落ちてしまった。