ちゅ、っと。
乾いた唇の感触が、額に触れた。
- フィオナ
- (~~~~っ!?)
それが、体調を崩した子供を慈しむような
接触であるというのはわかっている。
だが問題は、それをしたのがアルルで。
されたのが私だということだ。
- フィオナ
- (な、なな、なんで)
嫌われているとは、思っていない。
気にかけってもらっているのだということもわかる。
けれど、それでも。
こんな風に、額に口付けるような関係ではなかったはずだ。
- フィオナ
- (なかったわよね……?)
熱があって、よかったのかもしれない。
もし体が本調子だったのなら、きっと私は
わかりやすく動揺のあまりに体を強張らせていただろう。
今は体に力が入らないおかげで、反応しないですんでいる。
もう一度、優しくアルルの手が髪を撫でつける。