- 黛汐音
- 「よかった。じゃ、ちょっと来て。あ、少し屈んでもらった方がいいかな」
- 東条ヒバリ
- 「え? ちょっと何――」
- 黛汐音
- 「……うん、構図はばっちりかな。いい? 撮るよ?」
- 東条ヒバリ
- 「ちょっと待ってください! いきなり何なんですか!」
- 黛汐音
- 「写真を撮るんだけど」
- 東条ヒバリ
- 「それはわかってます。でも、なんで急に――」
- 黛汐音
- 「撮りたくなったから。ほら、カメラを見て。にっこり笑ってね」
- 東条ヒバリ
- 「黛さん!」
- 黛汐音
- 「say cheese!」
- 東条ヒバリ
- 「!」
- 東条ヒバリ
- (なんであんなに近くに……っ、密着しすぎでしょう!)
- 黛汐音
- 「あはは、ヒバリちゃん可愛い。ほら見て、怒ってる」
- 東条ヒバリ
- 「! ……見せてください」
急に肩を引き寄せられたかと思うと、黛さんはスマートフォンを片手に楽しげに自撮りの構えをとった。
撮った写真を確認している黛さんから急いで離れる。