オトメイト『スペードの国のアリス ~Wonderful White World~』公式サイト
- クイン=シルバー
- 「……ほう」
- アリス=リデル
- (あああ……
怒ってらっしゃる、怒ってらっしゃる)
- 今も近くには御付きの人が控えているのだが、もう装う気もないらしい……。
- アリス=リデル
- 「すみません。
ご迷惑なのは承知の上なんですが、他の場所も色々と問題がありそうで……」
- ルイス=キャロル
- 「迷惑なわけありませんよ、嬉しいです。
よかったですよね~、クイン様?」
- クイン=シルバー
- 「…………」
- クイン=シルバー
- 「はああ……今の私を見て、よくそんなことが言えるものですね……」
- ルイス=キャロル
- 「え~? 嬉しいでしょ?
可愛い余所者の怪獣ちゃんが、ここに住んでくれるんですよ?」
- クイン=シルバー
- 「…………。
……そうですね、あなたに期待した私が馬鹿でした」
- クイン=シルバー
- 「しかし……、アリス。
あなたはルイスと違って、もう少し賢い女性だと思っていましたが……」
- クイン=シルバー
- 「理解してもらえていなかったようなので、この際しっかりと説明いたしましょう」
- クイン=シルバー
- 「我が教団は他領土と違い、領民とも信仰で繋がっています。
この教会には民も出入りしますし、それ故に統治や運営には非常に繊細な注意を要します」
- クイン=シルバー
- 「そこへ『余所者』であるあなたを内なる者として加え入れるのは、簡単なことではないのですよ」
- クイン=シルバー
- 「誰からも好かれる余所者とはいえ、
信仰が絡めば民の心を乱し、不安を招いてしまうかもしれません」
- アリス=リデル
- 「……はあ……」
- アリス=リデル
- (いや、尤もらしいことを言っているけど……
結局、あなたが面倒なんでしょう?)
- まだ話をしたのはほんの数回だが、
この男の言葉をそのまま受け取ってはいけないことはすでに察している。
- アリス=リデル
- (民にも犠牲が出るような争いをしているでしょうに。
信仰心や領民への配慮だって、あてにならない)
- ルイス=キャロル
- 「またまた難しいことを言いますね、クイン様は。
そんな心配いりませんって。
何せ、俺達には神がついてるんですよ?」
- ルイス=キャロル
- 「これも神の思し召し!
全領土を回った上で選んだってんなら、アリスはしかるべくしてここへ来たんです」
- ルイス=キャロル
- 「もし領民が反発するなら、そいつらのほうが神の教えに背いてるんですよ。
任せてください、ちゃちゃっと殺しちゃいますから」
- アリス=リデル
- 「いや、殺しちゃダメでしょう」
- アリス=リデル
- (神父がする発言じゃないわよ……)