オトメイト『スペードの国のアリス ~Wonderful White World~』公式サイト
- アリス=リデル
- 「!!」
- そして、そのまま親指の腹を思いきり噛んだ。
- アリス=リデル
- 「いっ……!!」
- かなり痛い。
悲鳴を上げそうになり、それはなんとか堪えた。
代わりに涙目でクインを睨みつける。
- アリス=リデル
- 「い……っ、たいじゃない!
いきなり何するのよ……!」
- クイン=シルバー
- 「咄嗟に悲鳴を堪えるとは、なかなかできるものでは
ありませんよ。あなたは強い人ですね」
- アリス=リデル
- 「それはどうも。
……で、これはなんの真似?」
- クイン=シルバー
- 「言ったでしょう? マフィアの真似事ですよ」
- しれっと答えながら、血が出ている私の指を
教本の真っ白なページに押し当てる。
- クイン=シルバー
- 「こうして……」
- 指を退かせば、白いページに血の色で
私の印が刻まれていた。
- アリス=リデル
- (血判……。本当にマフィアみたい)
- クインは満足げにそれを見て、まだ血が滲む
私の指をぺろりと舐めた。
- クイン=シルバー
- 「契約の印です。教団と私に最後まで
付き合ってもらいますよ」
- クイン=シルバー
- 「もっとも、時間が狂ったこの世界で
最後などいつ訪れるとも知れませんが」
- クインは満足気に言って、
意地悪く微笑んでいた。