オトメイト『スペードの国のアリス ~Wonderful White World~』公式サイト
- ブラッド=デュプレ
- 「寝覚めの紅茶というのもいいものだからな。
眠気が吹き飛ぶような格別の一杯を淹れてあげよう」
- そう言って、湯沸かしにかけられたケトルの音に耳を澄ませる。
- タイミングを見計らい、迷わずケトルを取る。
その所作を見た時点でもう、淹れることも熟練していそうだと予想がついた。
- ブラッド=デュプレ
- 「…………」
- ブラッドが紅茶を淹れる音だけが響く。
自然とその姿に見入ってしまった。
- アリス=リデル
- (綺麗っていうか……、美しい)
- ただただ、そう思った。
表現すらも上品にしたくなる。
- アリス=リデル
- (私に評価出来るほど紅茶の知識があるわけじゃないけど……、動きが洗練されている)
- 手慣れていて無駄な動作もなく、完璧に見えた。
- なんでもそうだが、技術のある人の動きというのは美しい。
紅茶を用意しているだけなのに、手の動きに見惚れてしまう。
- ブラッド=デュプレ
- 「私は紅茶が好きなんだ」
- アリス=リデル
- 「……うん、もう分かっているわよ」
- アリス=リデル
- (それこそ、改まって言う必要もないほどに)
- しかし、思っていた以上にこだわりもあるようだ。
今の所作から伝わってくる。
- アリス=リデル
- (好きが高じて、自分で淹れるのもここまで上手いなんて。
相当な紅茶マニアだわ)