オトメイト『スペードの国のアリス ~Wonderful White World~』公式サイト
- どかどかとうるさい足音が聞こえたと思うと、
汽車の出入口にルイスが姿を現す。
- 両手に大きなトランクを持っているのに、
彼はそのまま勢いよく階段を駆け下りてきた。
- ルイス=キャロル
- 「っ……、ああ、アリス! やっと会えた!」
- アリス=リデル
- 「わっ、ぷ……!?」
- ルイス=キャロル
- 「会いたかったですよ!
あ、でも、具合はどうなんです!?
大丈夫なんですか!?」
- アリス=リデル
- 「ふ、ぐぐ……!?」
- 私の正面まで駆けてきてトランクを
どさどさっと置いたルイスは、
そのままの勢いで抱き締めてくる。
- 力も遠慮がない。
胸に頬をぎゅうぎゅうと押し付けられて、
返事しようにも不可能だ。
- クイン=シルバー
- 「ルイス、もう少し力を緩めてあげなさい。
あと、それ、私の荷物なんですが……」
- ルイス=キャロル
- 「あっ、そうでした! 我慢しないにしても
力は加減しないと駄目ですよね!」
- ふっと抱擁が緩む。
抱き締められたままだが、身を引いて
ルイスを見上げられるくらいには余裕が出来た。
- クイン=シルバー
- 「私への謝罪はなしですか。
役なしには任せられない重要な品も
入っていますので、あなたに運ばせたんですが」
- クイン=シルバー
- 「まったく……ただでさえ人の話を聞かないと
いうのに、それにも拍車が掛かって……」