オトメイト『スペードの国のアリス ~Wonderful White World~』公式サイト
- アリス=リデル
- 「……!」
- ブラッド=デュプレ
- 「…………」
- 完全に距離がなくなる。
それを、私は呆然と受け入れていた。
触れ合った部分の温もりだけが、リアルに感じられる。
- 互いに目を閉じず、見つめ合ったまま。
ブラッドの瞳には、どこか楽しむような
光が覗いていた。
- アリス=リデル
- 「っ……」
- アリス=リデル
- (なんで……)
- 恋情に近い好意は伝えられていた。
だが、そうだとしてもあまりに唐突だ。
- なぜいきなり、こんなキスをされるのか。
なぜ、私は抵抗もせずに応えているのか。
- 色んな意味の「なんで?」がぐるぐると頭を巡る。
それ以上のことは何も考えられない。
- ブラッド=デュプレ
- 「…………」
- ブラッドの目元に笑みが浮かぶ。
触れるだけのキスでも、私は完全に翻弄されていた。
- 形勢逆転。
もしかしたら今まで見せた動揺も、全部わざと
見せていたのではないか。
- そんなふうに思えるほど、今は余裕の態度で
私を腕の中に閉じ込めている