オトメイト『スペードの国のアリス ~Wonderful White World~』公式サイト
- ジョーカー・ホワイト
- 「やあ、こんにちは」
- アリス=リデル
- 「……!」
- ほんの一瞬、来た道を振り返った。
声に視線を戻せば、店の前に男性が立っている。
- アリス=リデル
- (中から出てきた……?
いつの間に……)
- アリス=リデル
- 「ええと……こんにちは」
- いで立ちを見るに、店員だろう。
- ラインの入ったデザインや色遣い、何より片目に
着けている仮面が独特の空気を漂わせているが、
人のよさそうな笑みを浮かべている。
- ジョーカー・ホワイト
- 「君、この店を見てくれていたよね?
暇だったら、ちょっと寄っていかないかい?」
- アリス=リデル
- 「え……あ、いや……」
- アリス=リデル
- (入ろうと思って
見ていたわけじゃないんだけど……)
- ジョーカー・ホワイト
- 「どうぞどうぞ、遠慮しないで。
ああ……それともこんなふうに客引きされて、
逆に警戒している?」
- アリス=リデル
- 「いえ、そういうわけでは……」
- ジョーカー・ホワイト
- 「本当に? ならよかった」
- ジョーカー・ホワイト
- 「見ての通り、うちは辺ぴなところに
建っているせいで客足がいまいちでね」
- ジョーカー・ホワイト
- 「まあ、ちょうどこの辺りで歩き疲れて、
立ち寄ってくれる人もそれなりに
いるんだけど」
- ジョーカー・ホワイト
- 「待っているだけじゃ退屈だから、たまには
呼び込みなんてものもするようにしているんだ。
涙ぐましい営業努力だよね」
- アリス=リデル
- 「は、はあ……」
- アリス=リデル
- (そもそもこんなところに
建てなきゃいいのに……って、
ここがどこなのか知らないけど)