オトメイト『スペードの国のアリス ~Wonderful White World~』公式サイト
- 周囲を見れば、通行人達も逃げるように
引き返していったりと、明らかに警戒している。
領民がこんな反応なのだから、ルイスは当然──
- ルイス=キャロル
- 「帽子屋! まさかあんたに会えるなんて!
ああ、なんてついてるんでしょう!!」
- ルイスは嬉々としてブラッドに駆け寄った。
しかし、すぐさまエリオットが前に出て、それを阻む。
- エリオット=マーチ
- 「ブラッドに近付くんじゃねえ!
このイカレエセ神父が!」
- 銃口がルイスの額に突き付けられる。
- ルイス=キャロル
- 「っ……! 酷いですね。言われなくても、
ちょっと近付きたかっただけですよ。
あまり近付くと殺しちゃいますから」
- エリオット=マーチ
- 「本当かよ。突進してきそうな勢いだったじゃねえか」
- ルイス=キャロル
- 「突進なんてするもんですか。
それこそ、ついでに殺しちゃいます」
- ルイス=キャロル
- 「どんなに近付きたくても、殺さないように
我慢してるっていうのに……」
- ルイス=キャロル
- 「ウサギさんにはこのもどかしい思いが
分かってもらえないんですね。悲しいです」
- エリオット=マーチ
- 「分かるかよ、んなもん!」
- エリオット=マーチ
- 「おまえが人を見る目があるってのは認めてやるぜ。
ブラッドほどのすごい男はいないからな。
けど──」
- ルイス=キャロル
- 「ええ、ええ、やっぱり帽子屋はすごいですよね!
俺も常々そう思ってます!」
- エリオット=マーチ
- 「っ、おい! 最後まで聞け!」
- ルイス=キャロル
- 「あんたのおかげで今日も世界が明るいですよ、
帽子屋! うざったいことも山ほどありますが、
それでも概ね明るい!」
- ルイス=キャロル
- 「それもこれも、あんたが俺に救いを与えてくれた
おかげです!」
- 間にいるエリオット(しかも銃口を突き付けている)
など見えていないかのように、ルイスはブラッドに
弾んだ声を飛ばす。
- ブラッド=デュプレ
- 「……そうか。私はおまえに会うたびに、
殺さずにおくという選択をしたことを
後悔しているがな……」
- ブラッドはルイスと目も合わせず、
げんなりした声で返した。
かなりだるそうだ。