オトメイト『スペードの国のアリス ～Wonderful Black World～』公式サイト

クイン＝シルバー

「アリス。
私かルイス、どちらか選んでください」

アリス＝リデル

「……はい？」

廊下に出ると、ちょうど会ったクインに執務室へ呼ばれた。

部屋を訪れるとルイスもやってきて……
で、三人でソファに着いたところで先の一言。
目が点になる。

アリス＝リデル

「ええ……何、いきなり」

アリス＝リデル

「選べって……クインってば、私のこと……」

アリス＝リデル

「え、そうだったの？　うわー……」

クイン＝シルバー

「違います。
気色の悪い勘違いをしないでくれますか」

アリス＝リデル

「……！」

アリス＝リデル

「いやいや、勘違いするしかないような言い方をしたのはあんたでしょうが」

アリス＝リデル

（気色悪いのはこっちのほうよ！）

本気で勘違いしたわけでもない。
彼らしくもない発言にドン引きしただけだ。

ルイス＝キャロル

「ほーら、やっぱり。
そもそも聞く必要なんかないって言ったでしょう」

ルイス＝キャロル

「怪獣ちゃんは俺を選ぶに決まってます。
ね、アリス？」

アリス＝リデル

「……はいい？」

アリス＝リデル

（何、なんなの！？　ルイスまで！？）

アリス＝リデル

（どうしたんだこの二人！？
いきなり脳内お花畑になっちゃった！？）

彼らは同居人で、仕事のうえでは上司。
クインは家主でもある。

個人としては、いい友人。
今みたいな会話が飛び出すような、色めいた関係ではなかったはずだ。

ルイス＝キャロル

「俺のほうがいいでしょ？　俺と行きますよね？」