オトメイト『スペードの国のアリス ~Wonderful Black World~』公式サイト
- アリス=リデル
- (これって……)
- エリオット=マーチ
-
「呼びに行こうかと思ってたんだが、手間が省けたな。来いよ、アリス!」
- エリオットも手にした串を振って私を招く。
串の先には、こんがりと焼けた楕円形のものが刺さっていた。
- アリス=リデル
- 「あなた達、何をしているの?」
- アリス=リデル
- (って、聞くまでもない気がするけど)
- 双子とエリオットの足元には、パチパチと音を立てる焚き火。
何かを覆うようにこんもりと積まれた葉が燃えている。
- どうやらあの絵から出た落ち葉を集め、焼いているようだ。
- トゥイードル=ディー
-
「焼き芋だよ、焼き芋!
ほかほかほくほく、美味しい焼き芋!」
- トゥイードル=ダム
-
「秋にすっごく美味しいけど、秋じゃなくても美味しい焼き芋!」
- トゥイードル=ディー
-
「お姉さんも好きでしょう?
好きだよねっ!?」
- トゥイードル=ダム
-
「僕達も大好きなんだよ! さあさあ、食べよう!
焼きたてほかほかのをあげるから!」
- 双子も焚き火の中から焼けた芋を発掘し、串に刺して振った。
例によって、斧と一緒に。
- アリス=リデル
- 「あんまり振ると芋が飛んでいくから、やめなさい」
- 串を離れた芋が当たっては堪らない。
やめさせてから傍まで歩み寄る。
- ブラッド=デュプレ
- 「いらっしゃい、お嬢さん。
茶会というほど大したものではないが、歓迎しよう」
- 一人着席しているブラッドはだるそうにしていた。
(彼がだるそうなのはいつものことだが)
- 手には磨き上げられたティーカップ。
これも、毎度の光景だ。