- カタリナ
- 「とにかくそこに座ってください! すぐに手当てをするので!」
- アラン
- 「あ、ああ……」
- アランの手当てをするために急いでポケットを探るけれど、ハンカチはなかった。
- カタリナ
- (あっ、しまったさっき使っちゃったんだった!)
- カタリナ
- (えーっと、こういう時は……ええいこれしかない!)
- 思い切ってスカートの布を破くと、アランがぎょっとした。
- アラン
- 「お前っ、何を……」
- カタリナ
- 「いいから手を出して下さい! 一時しのぎになっちゃいますが、手当てはしますから!」
- アラン
- 「いやでもお前、淑女がそんな――」
- 及び腰になっているアランの手を掴んで、とにかく血を止めたくてぐるぐると破いた布で巻いていく。