- ふかふかしていて、焼きたてのパンのようなものに抱きついてすやすやと惰眠をむさぼる。
- カタリナ
- (なんだかいい匂いがして、落ち着くわ~干したてのお布団みたい……)
- ???
- 「――さん、義姉さんってば!」
- カタリナ
- (うーん……この声、キース……?)
- 聞こえてきた声に、少しだけ意識が浮上する。
でも眠くて、まるで目が開かなかった。 - カタリナ
- 「あと五分~……」
- それにしてもこの抱き枕、本当に気持ちがいい。
あたたかくて、なかなかいい抱き心地だ。
ぎゅっとして、ぬくもりを堪能する。
するとなぜか、声にならない声が聞こえてきた。 - ???
- 「~~~~っ、義姉さん!!」
- カタリナ
- (ん? あれ? これってまさか――)
- ぱちっと目を開くと、キースの顔がドアップで現れた。
- カタリナ
- 「え、キース? どうしてキースが私と寝てるの!?」
- キース
- 「それは僕のセリフだからね、義姉さん……!」
- カタリナ
- (ん? つまり私がキースのベッドにいるってこと?)
- どうしてだっけ、と思い返して私は夜中にお手洗いに起きた事を思い出した。
- カタリナ
- (そうだった、気持ちが落ち着くからって出されたハーブティーが美味しくて、ガブガブ飲んだせいでお手洗いに起きちゃったんだったわ)
- でも半分寝ていたので、帰ってきた時に間違えてキースのベッドに潜り込んでしまったらしい。
- カタリナ
- 「ごめんねキース。狭かったわよね。夜中お手洗いに行った時に間違えちゃったみたいで」
- キース
- 「いや、説明は大丈夫だから、とりあえず離れて……!」