- ジオルド
- 「カタリナ、あまり離れないでください。何かあった時にあなたを守れません」
- カタリナ
- 「い、いえいえ! 大丈夫です!! 自分の身は自分で守れますから!」
- ジオルド
- 「カタリナ。僕は本気であなたの身を案じているんです。ですからどうか傍に。……手を」
- ジオルドが諭すような口調で手を差し出してくる。
- カタリナ
- 「え、ええっと……」
- 思わず差し出された手を見つめて固まってしまうが、その隙だらけになった私の手をジオルドが見逃さずに一瞬でさらっていく。
- ジオルド
- 「さ、進みましょうか」
- カタリナ
- (うう……近い……)
- 手から伝わってくるぬくもりに、また頬が熱くなってしまった。
改めて意識すると、ジオルドはスキンシップが多い。
思えば今までも、わりとこんな感じではあったかもしれないけれど――。 - カタリナ
- (い、今は無理!!)
- 前と同じようにしていられなくて、私はただぐるぐると混乱していた。
- カタリナ
- 「あ、あのージオルド様……逆に、手を繋いでいると、何かあった時に動きにくいような~……」
- ジオルド
- 「カタリナがすぐ傍にいてくれる状況のほうが、僕は動きやすいです」
- ジオルド
- 「こんな状況で、あなたとはぐれたくありませんから」
- 柔らかく微笑んで、ジオルドがぎゅっと繋いだ手に力を込める。
――甘い眼差しが近づいて、またドキリとした。 - カタリナ
- (いや~、この距離はやっぱり無理……!)