- カタリナ(幼少期)
- 「無理言って使いたくない魔力を使わせて本当にごめんなさい!!」
- 部屋に入って開口一番謝って来た義姉さんに、僕はただ呆然とした。
罵られこそすれ、謝られる理由なんてないはずなのに。 - キース(幼少期)
- 「……なんで、義姉さんが謝るの。悪いのは、僕なのに……」
- カタリナ(幼少期)
- 「何言ってるのよ、悪いのは私よ! 私がキースに無理を言ったのだから」
- キース(幼少期)
- 「……義姉さんは、僕が怖くないの?」
- カタリナ(幼少期)
- 「怖いって?」
- キース(幼少期)
- 「強力な魔力を持っているのに。それをコントロールできずに人を傷つけてしまう。
……義姉さんは、こんな僕が怖くはないの?」 - カタリナ(幼少期)
- 「魔力がコントロールできないなら、これからできるように頑張ればいいじゃない。
私と一緒に魔力の訓練をしていきましょう?」 - そう言って微笑んだ義姉さんの瞳には恐怖なんて浮かんでいない。
……とても優しい瞳だった。
僕が魔力で傷つけてしまったのに、彼女の僕を見る目は変わらない。
前の家の人々のような怯えた瞳はどこにもない。
化け物だと、罵る声もない。
ただ優しいいつもの彼女がそこにいる。 - キース(幼少期)
- 「……義姉さんは僕と一緒にいてくれるの?」
- カタリナ(幼少期)
- 「もちろん! これからもずっと一緒よ」