- カタリナ
- 「あのー、つかぬことをお伺いしますが……」
- ???
- 「ん? どうしたの?」
- カタリナ
- 「実は私、お腹が空いてしまって……軽食を出してくれるラウンジの場所をご存知ありませんか?」
- 質問したと同時に、お腹もそうだと訴える。
うう、さすがに恥ずかしい……。 - ???
- 「ふふっ。そっか。お腹が空いてるんだ」
- ???
- 「あいにく、こういうものしか持ち合わせがないんだけど、もしよかったら」
- そう言って、彼が取り出した物は――。
- カタリナ
- (グミだ……!)
- 前世ではよく食べたグミにそっくりなお菓子が彼の手には乗っていた。
ソルシエにはなかったので、今世で見たのは初めてだ。
喜び勇んでもらいそうになって、ようやくはっと我に返った。
公爵令嬢として、礼儀を忘れてはいけない。 - カタリナ
- 「珍しいお菓子をありがとうございます。せっかくですし、頂きますね」
- きちんとお礼を言ってから、早速グミを手に取る。
そしてぱくりと一粒食べた。 - カタリナ
- 「ん、美味しい!!」