- 漆原景太郎
- 「先輩! どこへ行くんですか!?
今一人になるのは危険です!」
- 駆け出そうとした私の肩を力強く掴み、漆原君が押し留める。
- 零崎紘可
- 「でも今捕まえないと――」
- 漆原景太郎
- 「落ち着いて下さい。
今動くのは得策じゃありません」
- 零崎紘可
- 「でも………うっ……」
- 湧き上がる怒りや悲しみに堪え切れず、瞳から涙が零れるのが分かった。
- 零崎紘可
- 「もう終わったと思ってたのに、どうしてこんな、ひどいこと……」
- 零崎紘可
- 「許せないよ……」
- 漆原景太郎
- 「…………」
- 漆原景太郎
- 「先輩、泣かないで下さい」
- 漆原景太郎
- 「大丈夫です、俺がついてます。
俺が犯人を必ず捕まえますから」
- 漆原景太郎
- 「だから……そんな顔しないで下さい。
じゃないと俺は……」