ラスティン「じゃぁ飯はまだ?」
ラン「うん」
ラスティン「ちょっと待ってて」
ラン「?」
ラン「……ラスティン?」

見ると、手前の屋台に並んで何か買い物をしている。

ラスティン「お待たせ、はいこれどうぞ」
ラスティン「これ、俺の国の食べ物でさ、 ケバブサンドっての。美味いよ、食べてみて」
ラン「え、でも……前にジェラートも……」
ラスティン「まぁまぁ!友達を心配して落ち込んでる仲間にこれくらいの優しさはいいだろ?」
ラン「……───仲間」
ラスティン「そうそう。ニルヴァーナ的な意味でも、真夜中のお役目的な意味でも」
ラン「あ……」
その一言が、心に染みる。
その一言で、ふわりと心があたたかくなる。
ラスティン「それにもう二つ買っちゃったし、な?」
ラン「……分かった、どうも有難う。今度こそ、次こそ私が何かおごるね」
ラスティン「はは、楽しみにしてる」

そうして、私達は壁にもたれ掛かって熱々のケバブサンドを食べ始めた。

初めて食べるものだったけれど、
良く焼けたたっぷりの羊肉に甘辛いソースが絡んでとても美味しい。

ラスティン「口にあったようで何より」
ラスティン「それにしても前から思ってたんだけどあんた、いい顔して食べるなぁ」
ラン「!?」

丁度サンドを口に入れたばかりで、私は言葉が出ない。

ラスティン「褒めてるんだからな?」
ラン「……う、うん……」
ラン(……まぁ、ラスティンが機嫌良さそうだからいいか)


鼻歌でも歌い出しそうな表情で、ラスティンはサンドを頬張っている。

ラン(そう言えば、以前ジェラートを食べた時も妙に楽しそうに見えたけど……)
ラン(それにしても、私が食べてる顔……どんな顔なんだろ?)
ラン(そんな変な顔はしてないと思うんだけどな……)


ラスティン「ここさ、うちの国の料理とかお菓子も色々売ってるんだけどさ、俺これが一番好きなんだよね」

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