Gallery

吾妻夏彦

「久我家の神子は、男を挑発するのが趣味らしい」

男はぐっと顔を近づける。
鼻先が触れ合うほど。男の目に、自分の顔が映っているのが
分かるほどの……距離。

情けないくらい動揺して、怯えた顔をしている。
何とか平静を保ちたいと思いながらも、息さえ危うくなった私は、
指一本も動かすことが出来なかった。

吾妻夏彦

「……どうした？　舌を噛み切るんじゃなかったのか？」

久我深琴

「…………っ」