読み込み中...
- なんと――東条さんの手が、私の手に添えられていたのだ。
無意識の内に、こまめを支えようとしているのだろう。
こまめを撫でているのとは逆の手で、すっぽりと包み込まれている。
東条さんはこまめに夢中になっているようで、そのことに全く気付いていなかった。
- 紗乃
- (こ、これは……ちょっと恥ずかしい……かも!?)
- 紗乃
- (でも、私が手を動かしたら東条さんがこまめを撫でられないし……。
ど、どうしたらいいかな……!?)
- 意識した途端、東条さんの手の感触が伝わってくる。
温かい。大きい。ごつごつしている。
考えないようにすればするほど、それは私の脳内を侵食してきていて――。