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- 篁 智成
- 「紗乃、大丈夫?」
- 紗乃
- 「!?」
- なんと、智成がぴったりと私に寄り添っているではないか。
そこで気が付いたのだけど、私は智成の膝の間に座るように尻もちをついていた。
そのため、お互い余計にびしょびしょになっていて……。
- 紗乃
- 「智成……。もしかして、助けてくれたの?」
- 篁 智成
- 「そのつもりだったけど……全然間に合わなかった。ごめんね」
- 紗乃
- 「ううん、おかげでどこも痛くないよ。
そういう智成は腰とか大丈夫? 打ったりしてない……?」
- 篁 智成
- 「平気だよ」
- 智成は静かに微笑むと、私の頬に付いていた水滴を取ってくれる。
その優しい手つきがくすぐったくて、自然と笑みがこぼれてしまった。