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- 驚いたことに、私は久賀さんと手を繋いで歩いていた。
久賀さんが率先して道を切り開いてくれるおかげで、先程のように人混みに流されることもない。
安全にこの混雑を進むのなら、これほど適した歩き方はないだろう。
……でも。
- 紗乃
- (これはこれで、ちょっと恥ずかしい……!)
- 紗乃
- (だってこれじゃあ、まるで恋仲みたいじゃない!?)
- 紗乃
- (いくら理に適っているからって、普通知り合い同士でこんなことするのかな……!?)
- 久賀源十郎
- 「紗乃。足元に段差があるから気を付けろ」
- 紗乃
- 「あっ……ありがとうございます……!」
- そこで久賀さんは、こちらを支えるように手を引いてくれる。
その力強さに、また心臓がどくんと跳ね上がった。