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- ???
- 「……そこまで」
- 町民の拳を真正面から受け止める形で、誰かが割って入ったのだ。
- 町民一
- 「っ……!? あ、あんたは……!」
- 奉公人一
- 「久賀さん……!」
- それは、腰に立派な刀を差した凛々しい印象のお侍さんだった。
その乱入者の顔を見るなり、町民も奉公人も複雑そうな表情になってしまう。
- ???
- 「何があったのかは知らないが、手を出すのだけはいただけないな」
- 町民一
- 「だ、だけど久賀さん。こいつが先に水をぶっかけてきたんだよ!
だからついカッとなっちまって……」
- ???
- 「……本当か?」
- 奉公人一
- 「それは……確かにそうなんだけどさ……。俺は謝ろうとしたのに、そいつが馬鹿にしてきたんだ。
だから俺は悪くない!」
- 町民一
- 「な、なんだと……!?」
- ???
- 「……なるほど。大方理解した」
- ???
- 「事の発端が奉公人側とはいえ、解決する機会を潰したお前にも責任がないとは言えないだろう」
- ???
- 「ここは……互いに謝罪し、和解してみてはどうだろうか」
- ???
- 「これ以上騒ぎを大きくしては、岡っ引きやら同心やらも駆けつけてくるかもしれないぞ」
- 町民一
- 「ぐ……」
- 奉公人一
- 「う……」
- その乱入者の助言は、町民たちにとって大きな効果を持っていたらしい。