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- 錦次
- 「……紗乃? どうしたんです?」
- 紗乃
- 「な……なんでもありません……」
- 錦次
- 「ですが、体が強張っていませんか? 何かあるのならはっきり――」
- 紗乃
- 「ありません……!」
- 錦次
- 「……?」
- ぎりぎり出せる声量で反論してみれば、錦次さんは途端に黙り込んでしまう。
しかもその間も、私を抱いている腕が緩められることは無くて……。
それに必死になって耐えていると錦次さんは更に耳元へと顔を近づける。
- 錦次
- 「もしかして、貴方……」
- 錦次
- 「……この体勢が、恥ずかしいのですか?」
- 紗乃
- 「っ……!」
- 今度はわざと耳に息を吹きかけられ、体がびくりと跳ねてしまう。
慣れない刺激に、体が敏感になっているようだ。
こんな状態では返事なんてできるわけもない。
それが分かっているのか、錦次さんは更に追撃をしてくる。