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- 東条國孝
- 「っと……挨拶が遅れてすまなかったな。俺は東条國孝。こいつと同じ御庭番の一員だ」
- 紗乃
- 「は、はじめまして。紗乃です……」
- 東条さんは、篁さんと比べて随分大柄な人だった。
がっしりとした体つきをしているし、きちんと顔を見て話そうとすると、首が痛くなってしまうくらい背が高い。
だけどこちらへ向けてくれる人が良さそうな笑顔を見ていると、どこかほっとするような印象を受けた。
そこまで観察したところで、私はまたあることに気がつく。
- 紗乃
- (……あ。この人にも『糸』がない)
- 普通なら、老若男女問わず見えるはずなのに……。
ひょっとして、もう『糸』自体が見えなくなってしまったのだろうか?