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- ギル・ラヴクラフト
- 「うわっ!?」
- 俺は、何かに足を滑らせて転んでしまった。
- ヒロイン
- 「ギル! きゃあっ!?」
- 俺に駆け寄ろうとした彼女もまた、何かに足を滑らせて俺の上に倒れてくる。
――そこで、俺は周囲が泡だらけになっている事に気がついた。
- ギル・ラヴクラフト
- 「ええ!? これ、どうしたの!?」
- ヒロイン
- 「えっと、洗濯しようと思って……
ギルに教えて貰った通りにやったんだけど、どんどん泡が出てきて……」
- ギル・ラヴクラフト
- 「泡が? ……洗剤、どれぐらい入れた?」
- ヒロイン
- 「え? えっと、だから教えて貰った通り、いっぱい入れたんだけれど……」
- ギル・ラヴクラフト
- 「一杯、じゃなくていっぱい?
もしかしてこれ、全部入れちゃった?」
- ヒロイン
- 「え? あれ?」
- 彼女が青ざめて、口元を押さえる。
- ヒロイン
- 「もしかして……いっぱいじゃなくて、一杯だった?」
- ギル・ラヴクラフト
- 「…………」
- ヒロイン
- 「…………」
- 顔を見合わせて――。
俺は、吹き出した。
- ギル・ラヴクラフト
- 「いっぱいの洗剤って……ふふっ、あはは!
そんなジョークみたいなことある!?」
- ヒロイン
- 「うう……ごめんなさい……」
- ギル・ラヴクラフト
- 「いいよ。ごめんごめん、俺の伝え方が悪かったね」
- 笑って、彼女の頬を撫でて――
そこで俺は、自分の手も泡だらけだった事に気がついた。
- ギル・ラヴクラフト
- 「あ、ごめん。泡ついちゃったな」
- ヒロイン
- 「え?」
- 彼女もほっぺを自分で触って――
ますます、泡が顔についてしまう。
- ギル・ラヴクラフト
- 「ふふ、あははっ! 泡々になってる」
- ヒロイン
- 「も、もう! 笑わないでよ!」
- ギル・ラヴクラフト
- 「だって、ひげみたいで……あはははっ」
- ヒロイン
- 「うぅ……。
そんな笑うんだったらギルにも付けちゃうんだから!
えいっ!」
- ギル・ラヴクラフト
- 「あ」
- ふわりと甘い泡の匂いがして、彼女の指が俺のほっぺを触る。
- ヒロイン
- 「これで、お揃いよ!」
- ギル・ラヴクラフト
- (う、可愛い……)
- 泡をくっつけながらほっぺを膨らませている彼女の姿に、鼓動が早くなっていく。
- ギル・ラヴクラフト
- (こ、これマズイって!)