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一人でやる気になっていると、頬にぴたりと冷たい何かが触れた。
ヒロイン
「えっ!?」
ヒロイン
「って、螢彩院くん!?」
螢彩院・F・琉輝
「……フェイスマスク。とっておきのやつ」
ヒロイン
「わ、これすごいしっとりする……!」
水分がたっぷりで、肌に浸透していくのが分かった。
きっとこれは、凄く凄くお高いやつだ。
普段自分が使うやつの何倍も値段がするに違いない。
ヒロイン
「いいの? 貰っちゃって」
螢彩院・F・琉輝
「うん。……仕事頑張ってる人は、尊敬できるから」
ちらりと、私のパソコンを螢彩院くんが一瞥する。
どうやら私が仕事をしているので、わざわざ労いに来てくれたらしい。
ヒロイン
(あの螢彩院くんが、褒めて、くれた……!)
ヒロイン
「ありがと、螢彩院くん!」
嬉しくなって笑顔になると、フェイスマスクの端っこを、上からぐいぐいと押し付けられた。
螢彩院・F・琉輝
「笑わないの。よれるでしょ」
ヒロイン
「あっ、ごめん……。つい嬉しくって」
螢彩院・F・琉輝
「そ。なら良かった。
……ま、美容には悪いから、仕事はそこそこにしてちゃんと寝なよ」
頬を赤くして、螢彩院くんが背を向ける。
見ると、耳まで真っ赤だ。