- 日向
- 「おい、メシだ」
- 見れば、日向が私にお皿を差し出すところだった。
- 小鳥遊 ユウキ
- 「……ええと、ここで食べるんですか?」
- 日向
- 「そうだ」
- てっきり、外で煮炊きをしているだけなのかと思った。
まさか食べるのも外だとは。
戸惑ってしまった私を日向はイラついた目で睨んだ。 - 日向
- 「食べるつもりがないなら、とっとと帰れ」
- 小鳥遊 ユウキ
- 「そ、そんなことないです! いただきます!」
- 慌ててお皿を受け取った。
お皿には鶏肉のトマト煮込みのような料理が盛り付けられている。 - 小鳥遊 ユウキ
- (おいしそう……。でもこれ、毒とかは……さすがに入ってないよね?)
- わずかな警戒心から少しだけ躊躇してしまう。
けれど、伊吹や雪波がおいしそうに食べているのを見て、私も思い切ってひと口食べた。