- 女子生徒・1
- 「間宮会長! 高遠くん! おはようございます!」
- 間宮 アユム
- 「おはようございます。 ほら、トキオも」
- 高遠 トキオ
- 「……眠い」
- 東雲 リーゼ
- 「相変わらずモテてるネ~。一緒に囲まれてるのは、なんだっけ……秀才って噂の……」
- 小鳥遊 ユウキ
- 「たしか、高遠トキオくんだったと思う。間宮会長と仲がいいのかな……」
-
私はあまり興味が湧かなかったけれどぼんやりと2人のことを思い出してみた。
たしか、秀才と言われている高遠くんは、学生でありながら研究エリアに出入りしていると聞いたことがある。
生徒会の間宮会長は、文武両道で眉目秀麗。
女の子たちにとても人気がある、というのは目の前の光景を見ると噂ではなく本当のようだ。
2人とも私たちと同じ高等部2年だけれど、平凡な自分とは全く接点がなかったし、たぶんこれからもないと思う。
そんな風に考えていたその時、後方で歓声があがった。
- 小鳥遊 ユウキ
- 「な、なに? 誰が来たの???」
- 突然沸き起こった黄色い歓声に驚く。
- ???
- 「おはよ! 今日もみんな可愛いね」
- 東雲 リーゼ
- 「栖原先輩が来たみたいダヨ。ほらあそこ! あの先輩も、会長と同じかそれ以上にモテるヨネ~」
- 小鳥遊 ユウキ
- 「そうなんだ。私はよく知らない先輩なんだけど……、たしかにカッコイイね」
- 東雲 リーゼ
- 「うんうん。でもカッコイイっていうより、面白い? っていうかチャラいかも!」
- 小鳥遊 ユウキ
- (それって、どっちかというと褒めてないような……?)
-
リーゼの説明を聞いているとこの先輩も、やっぱり自分とは関わることがなさそうだと感じる。
その時、ひと込みを避けるようにしながら歩いて来た男の子とぶつかってしまった。
- 小鳥遊 ユウキ
- 「ご、ごめんなさい」
- ???
- 「……いえ、俺もすみません」
- 小鳥遊 ユウキ
- (あっ……この子って……)