- 小鳥遊 ユウキ
- (机があるところが無理なら本棚の間の通路に置いてある椅子を見てみよう。
1席くらいなら、空いてるかも) - そう思って、近くの本棚に手をつき通路を覗き込もうとすると――
ちょうどそこから出てきた人とぶつかって 背が本棚に当たってしまった。 - 小鳥遊 ユウキ
- 「ご、ごめんなさい!」
- 謝りながら顔を上げるとぶつかった相手は1年の新記ミハヤくんだった。
- 小鳥遊 ユウキ
- (私……前にも新記くんにぶつからなかったっけ?)
- 思い返してみると、いつかの朝、学園の入口でそんな出来事があったような気がする。
- 新記 ミハヤ
- 「…………」
- 小鳥遊 ユウキ
- (無反応だけど、もう1度謝ったほうがいいかな。
何度もぶつかって、失礼な人だと思われてるかもしれないし) - そう思って口を開きかけると新記くんの視線はなぜか私の頭上へと向けられた。