榊原 コウ
「俺のこと拒否るとか、いいと思ってるわけ?こっちはこんなにもアンタのこと想ってるのに」
榊原 ユウ
「ホント、マネージャーさんったら酷いわね。ワタシたちの気持ち、わかってるクセに」
東地 葵
「ふたりの気持ちって……」
榊原 コウ
「アンタにキスしたいって気持ち。そのくらい、この状況考えればわかるだろ」
榊原 ユウ
「だってアナタの唇、とっても甘くて美味しそうなんだもの」
榊原 コウ
「ああ、すごく魅力的だ。アンタにキスしたら、俺、きっと幸せになれる」
東地 葵
「……っ!」
ふたりの甘い言葉に、頭がクラクラする。
まだまだ子供だと思っていたのに、いつの間にこんなにも大人な顔ができるようになっていたのだろう。
東地 葵
「そ……その言葉、ファンの子たちに言ってあげて。きっとみんな喜ぶよ」
私が必死になって絞り出した言葉は、そんな思ってもいない台詞だった。
榊原 コウ
「何でそんなこと言うんだよ……っ! 今は……今だけは俺のこと、ひとりの男だって意識しろよ」
榊原 ユウ
「ワタシには本心の言葉に聞こえなかったのだけれど。アナタ、それで本当に後悔しないって言い切れる?」