- 美土宇昴
-
「ふふふ……さあ、行こうか。姫。
……良い演劇にしようね」
- ヒカリ
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「……うん!」
- 美土宇昴
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「……姫君。俺は、あなたともに生き、
愛を育もうと、心より願っておりましたが……」
- 美土宇昴
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「……友であり、仕えるべき主君である
王の傍を離れるわけにはまいりません。
……どうかお許しください」
- ヒカリ
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「騎士様……」
- ヒカリ
-
(なんとか、ここまできた……。
あとは、騎士との別れのシーンだけ……!)
- ヒカリ
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「……騎士様。私はいつまでもあなたをお待ちしております。
……私の心はいつまでも、あなたのお傍に」
- 美土宇昴
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「…………」
- ヒカリ
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(……昴くん? どうしたんだろう?
次が、最後のセリフなのに!)
- ヒカリ
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「あの……昴くん?」
- 美土宇昴
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「……姫。俺には使命がある。友とともに
成し遂げなければならない絶対の使命が。
俺は……そのために生きている」
- ヒカリ
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「えっ……?」
- 美土宇昴
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「でも……それでも……君への想いは本物だ。
自分の使命や無二の友を捨てても、君の傍にいたい……その気持ちも本物なんだ」
- ヒカリ
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(昴くん……脚本のセリフと違う?
ど、どうして……?)
- 美土宇昴
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「……許してくれとは言わない。
……言えないけれど……」
- ヒカリ
-
「昴くん……」