- 水瀬 碧
- 「ほら…………」
- ヒカリ
- 「え……?」
- 水瀬 碧
- 「……手、差し出してんだから、分かれよ」
- ヒカリ
- 「そ、そんなこと言われても……」
- 水瀬 碧
- 「っ……お姫様、お手をどうぞ」
- ヒカリ
- (っ…………! 碧くん、本当にエスコートしてくれるんだ……!)
- ヒカリ
- 「ご、ごめんね、気付けなくて。ありがとうございます……」
- ヒカリ
- (こんなふうに碧くんに手を握られたことなんてないから、なんだか緊張するな……)
- 水瀬 碧
- 「あんたの手、小さいな」
- ヒカリ
- 「そ、そうかな……?」
- ヒカリ
- 「碧くんの手は大きくて、すごく頼りになりそうな男の人の手だね」
- 水瀬 碧
- 「そうなのか? 自分じゃよくわからない」
- ヒカリ
- 「うん、そうだよ。言われたことない?」
- 水瀬 碧
- 「ないな……。というか、誰かと手を繋いだことすらない。あんたが初めてだ」