SCENARIO
互いの間にあった霧の壁が狭まり、眼と鼻の先に見知らぬ男の顔が浮かび上がる。
- ジェド
- 「……誰だ?」
- ???
- 「さっきから、それしか聞かないんだね」
くすりと微笑まれ、ほんの少し恥ずかしさがこみ上げる。
たしかにそれしか聞いてないけど、まだ答えを聞いていない。
- ???
- 「それじゃ、名前だけ教えてあげよう。次に会った時、僕をなんて呼べばいいか困らないように」
- ヒュー
- 「僕はヒュー。よろしくね」
- ジェド
- 「ヒュー……。俺は……」
- ヒュー
- 「君は名乗らなくていい。僕は君のことを知っているから」