オトメイト『DAIROKU:AYAKASHIMORI』(略称:ダイロク)|ギャラリー
- 秋津しの
- (こうなったら……もう、腹を括るしかない……)
- 秋津しの
- 「じゃあ……お願い、します」
- 瀬見季継
- 「最初っからそう言えばいいのになぁ。君、たまに可愛くないよな」
- 秋津しの
- (反論したくてもできない……)
- でも、瀬見さんからしたら、部下を『お姫様抱っこ』するぐらいなんてことないんだろうけど。
- 瀬見季継
- 「じゃ、今度こそ行くぞ? ……よっと」
- 秋津しの
- 「わっ!」
- 思いのほか楽々と瀬見さんに持ち上げられて、逆に驚いてしまった。
- 秋津しの
- (いや、そう見せかけて実はすごく重い? やせ我慢してる……?)
- 瀬見季継
- 「…………」
- 瀬見季継
- 「君さぁ……なんか俺に対して失礼なこと考えてるだろ?
これでも男ですから、女の子一人持ち上げるくらい、余裕だぞ?」
- 秋津しの
- 「!? い、いえ、別にそんなっ……」
- 瀬見季継
- 「ま、練習相手が俺で良かったかもな?
匡じゃギリギリ無理だったかもしれないし」
- 秋津しの
- 「…………やっぱり、降りてもいいですか」
- 瀬見季継
- 「駄目に決まってんだろ。悔しかったら、もっと術者としての腕を磨くことだなぁ」
- 秋津しの
- (それは今、関係ないような……)
- 関係ない気はしたけど、私が術者としてもっと成長しなければならないのは、ごもっともな話で――
- 秋津しの
- (悔しい……けど、強くなる為のいいモチベーションにはなったのかも?)
- 私は瀬見さんに抱き上げられたまま、勝てなかった悔しさと、
恥ずかしさでいたたまれない時間を過ごしたのだった。