オトメイト『DAIROKU:AYAKASHIMORI』(略称:ダイロク)|ギャラリー
- 秋津しの
- 「すみません。特にご用もないようですし、急ぎますので、失礼します」
- 会釈してその場を離れようと踵を返したが、強い力で肩を掴まれた。
- 瀬見季継
- 「あはは……ちょい、待ってねぇ? ――君さ、もしかして、何か視えてた?」
- 秋津しの
- 「……いえ、何も」
- ただならぬ雰囲気を感じて、とっさに嘘をつく。
- 秋津しの
- (視えてたかって、この人も視えるの? でも、興味本位で聞いてくる人もいるし……)
- 今までの経験上、視えている人は限られていて、
その人たちの中でも【視えている】ときちんと認識している人の方が少ない。
- 【視えている】と認識している人はそのモノを避けたり、じっと見ていたりするのだ。
- 試験官は和服の男性を見るどころか気にもしていなかったように見えたが、果たしてどちらなのだろうか。