オトメイト『DAIROKU:AYAKASHIMORI』(略称:ダイロク)|ギャラリー
- 私は大急ぎでポケットからハンカチを取り出すと、湫さんの右手を見た。
- 勢いよく出たジュースで濡れてしまっている。
- 秋津しの
- 「本当にごめんなさい……」
- 重ねて謝りながらその辺りを拭い、他にも濡れていないかと彼の左手を見た。
- 秋津しの
- 「左手は? 大丈夫ですか?」
- 湫
- 「……!」
- 左手にまではかからなかったようだ。
- 秋津しの
- 「左手にはかからなかったみたいですね。よかった……」
- 安堵の息をついた時──唐突に、その手がバッと振り払われる。