- ヴァン
- 「改めて考えると……
私達がロンドンを発ってから、もうだいぶ経つのか」
- ドラクロワ二世
- 「ああ、そうだな。
今になってもまだ実感が湧かぬ」
- ドラクロワ二世
- 「つい昨日まで、あやつらと騒いでいたような気さえするのに」
ドラクロワの表情や口調に、
ほんのわずかな寂しさが滲み出る。
そしてそれは……
きっと私のほうも同じなのだろう。
- ヴァン
- 「……あいつらは今頃、何をしているのだろうな」
イギリス中を巡っているとはいえ、
私達も別に一切ロンドンへ戻っていないわけではない。
レンフィールド侯爵への報告、
政府関係者との会談と交渉。
この半年でも顔を出す機会は、
幾度かあった。
ただ、ルパン一味は元々、
それぞれの目的を持つ自由人の集まりだ。
下層街に診療所を構えているフラン以外は、
どこかへ出ていることも多く……。
ロンドンへ戻ったとしても、
他の仲間にはあまり会えていないのが
現状だった。