カルミア
「うわぁ……帽子がいっぱい!」
カノン
「当たり前だろ。帽子屋なんだから」
カルミアがドアを開けて一番最初に店に入る。
すると、棚に並んでいる様々な帽子を見て、 楽しそうな声をあげた。

続いて私達がカノンの店に入ると、 カウンターでは、ラッテが店番をしていた。
ルナ
「店番……?」
カノン
「はぁ、また眠っているし…… おいラッテ! 起きろよ!」
ラッテ
「むにゃ……んん……」
カノンが大きめの声で声をかけるが、 ラッテは気持ちよく眠っていて、 まったく起きる気配がない。
ルナ
「ねえ、いつもこんな調子なの?」
カノン
「うん、ほとんど……」
いつもこんな調子で、お店としては 大丈夫なのだろうか。

カノンが呆れた様子でラッテを 起こし続けているが、やはり起きる様子はない。
カルミア
「ねぇねぇ、起きて。つんつん」
カルミアがラッテに近づき、 ほっぺをつんつんと突いている。
ラッテ
「むにゃ……いらっさいまへ…… ん~……」
カルミア
「つんつん、つんつん。
うわあ、全然起きないねー」
ルナ
「ふふ、ずいぶんと頼もしい店番ね」
カノン
「ああ、頼もしくて涙が出そうだよ」
カノン
「おい、いい加減に起きろって!
こんなんじゃ泥棒が入っても文句言えないぞ。
おい、ラッテってば!」
ラッテ
「ん……んん……?」
カノン
「ラッテ! ラッテってば!」