新しい本を手に取ろうとした時、
ふと、カルミアがいなくなっていることに
気付いた。
愛日梨
「ねえ、レイン。カルミアを知らない?」
レイン
「ああ、カルミアなら」
レインが禁書室の外へ視線を移すと、
そこからカルミアの楽しそうな笑い声が
聞こえてきた。
愛日梨
「図書館の方にいるのかな?
なんだかとっても楽しそうだけど」
禁書室から顔を出すと、
ネロくんとカルミアが楽しそうに戯れていた。
愛日梨
「あれ、ネロくん?」
ネロ
「よお、愛日梨」
愛日梨
「どうかしたの? 調査に行くって
言ってたのに……」
ネロ
「ああ。調べてる時に気になる情報を聞いたから、
レインたちに先に報告しとこうと思って
戻ってきたところなんだ」
愛日梨
(気になる情報……?)
ネロくんは私に理由を話しながら、
カルミアの頭をぐりぐりしている。
カルミア
「ネロ~! くしゃくしゃにしないでよ~」
ネロ
「なんだよ、もうギブアップか?」
カルミア
「ギブアップするから放してってば~」
ネロくんに頭を抱え込まれても、
くすぐったいのか、カルミアは
楽しそうに笑っている。
愛日梨
(男の子の兄弟ってこんな感じなのかな?)
楽しそうにじゃれ合う二人が
とても微笑ましくて、自然と笑みが浮かぶ。