愛日梨
(なに、してるの……)
後ろから押さえ込まれていてよく見えない。
首筋に、熱っぽい息が当たる。
それから――。
レイン
「は……っ、ん」
愛日梨
「……っ!」
皮膚を這うなまめかしい感触に、思わず声を上げそうになって……堪えた。
愛日梨
「レ、レイン……!」
得体の知れない心細さに名前を呼んだ。
けれど、返事がない。
レイン
「…………は」
ふと、水気を含んだ音が大きく聞こえて、どきりとした。
肩口の鈍い痛み。皮膚を吸い上げる仕草。
愛日梨
(もしかして、私の血を……)