レイン
「……その、すまない」
ふいにレインが私の言葉を遮った。
レイン
「話の途中なのは承知しているが、お前に頼みがある」
突然の申し出に首を傾げると、レインは少しためらったあと、言った。
レイン
「お前に、もっと触れたい」
愛日梨
「…………!」
レイン
「無理だ、我慢ができない。これ以上」
レインとの距離が、どんどん、なくなって。
見えなくなるほど近くなって――。
愛日梨
「んっ……!」
思わず目を閉じたのと、くちびるに優しい気配がしたのと、同時だった。